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インド出張時に気を付けたい4つのこと

【2020年1月31日】公開

インドは、2019年に13億6641万人と、世界で2番目の人口を有しています。
2027年ごろには中国を抜き、2030年には15億364万人、2050年には16億3917万人に達すると見込まれています。
生産年齢人口率も伸び、いわゆる人口ボーナス期を迎えています。
日本企業の進出も、2008年の550社から2018年には1441社と、10年間で2.5倍以上になりました。
それを反映してか、日本のお客様からも、インドでのデジタルプロモーションや展示会出展のお問い合わせをいただくようになりました。

そこで今回は、インドの展示会への視察を考えている方に、出張の際のポイントをお伝えしたいと思います。


 

インドはビザが必要な数少ない国・地域のひとつ

日本のパスポートを持っていれば、多くの国・地域でビザ免除措置が受けられます。
2018年10月現在で、その数は190ヵ国・地域。
しかし、そうした中、インドはビザの必要な数少ない国・地域のひとつです。
入国審査の際に、必ずビザの提示を求められます。
ここでは、ビザの取得の仕方をまとめました。

まず、申請の方法は以下の4通りです。

・大使館・領事館の窓口で申請する
・大使館・領事館に郵送で申請する
・インターネットでe-VISAを申請する
・VOA(Visa on Arrival:到着時ビザプログラム)で申請する

それぞれ、取得にかかる時間や手間が違います。
では、ポイントを見てみましょう。
 

大使館・領事館の窓口で申請する場合


取得にかかる日数は1週間程度を見ておいた方が安全です。
インド大使館のWebサイトには、在京インド大使館の領事管轄区内に居住する場合は3営業日、それ以外の場合は5営業日を目安にと書かれています。
あくまで目安なので、余裕をもって早めに準備しましょう。

大使館や領事館の窓口まで出向くのは手間がかかりますが、係官とフェイス・トゥ・フェイスでやり取りできるので、不安な場合はこれが一番かもしれません。

しかし、領事業務をおこなう大使館・領事館は東京と大阪にしかなく、近隣にお住まいやお勤めの方でないと、なかなか難しいかもしれません。
また、開館時間が短いのもネックです。
※以前、ビザ発給支援業務を提供していた「ビザ申請センター」は、2017年3月21日から申請受付を停止しています。

在京大使館
月曜日~金曜日
申請書受付 9:00~11:00
査証及びパスポート返却 16:00~17:00

在阪総領事館
月曜日~金曜日
申請書受付 09:30~11:30
査証及びパスポート返却 15:30~16:30

と、窓口の開いている時間が限られています。

料金は、
トランジット・ビザ 110円
その他のビザは種類や期間にかかわらず一律 900円

これとは別に申請手数料が、一件につき350円かかります。

申請は窓口に出向いておこない、受け取りは郵送にしてもらうこともできます。
別途、手数料600円と書留郵便料金が加算され、宛先を記入した封筒の用意も必要です。
 

大使館・領事館に郵送で申請する場合


郵送でも申請することができます。
大使館や領事館から遠い場合は便利です。
基本的には窓口申請と変わりませんが、郵送が往復になるので、その分時間はかかります。
また、郵送申請の場合は、手数料が1000円加算されます。
 

インターネットでe-VISAを申請する場合


オンラインでも申請することができます。
取得までの時間は明記されていませんが、
”minimum 4 days in advance of the date of arrival”
と、到着日の4日前まで申請が可能です。
実際にe-VISAで申請したところ、2営業日で取得できました。

ただし、e-VISAの申請Webサイトはすべて英語です。
質問項目はおよそ80あり、記入し終えるのにはかなりの時間がかかります。
英語が不安な方には、ハードルが高いかもしれません。

また、質問の中には、到着する空港を選択する項目があります。
そこで選択できない空港では、e-VISAによる入国ができません。

e-VISAの申請代行をしてくれる会社もあるので、そちらの利用を検討してみても良いでしょう。
代行料は取得費用を含めて、ビジネスビザで1万円程度の会社が多いようです。
 

VOA(Visa on Arrival:到着時ビザプログラム)で申請する場合


2017年4月から、インドでは主要空港でのアライバルビザの取得が可能となりました。
この措置は、日本と韓国のパスポートを持っている人のみに適用されます。

本来、ビザが必要な国への渡航時は、出発国での飛行機搭乗時にビザの確認をされます。
日本発の便であれば、航空会社の職員に周知されているので、止められることはないでしょう。
しかし、第三国からの出発の場合は、説明が必要になるかもしれません。

2020年1月現在、VOAを申請できる空港は、以下の6つです。
・バンガロール
・チェンナイ
・デリー
・ハイデラバード
・コルカタ
・ムンバイ

申請料は2000ルピー(同価値の外貨でも支払えます)と、日本国内で申請するより割高ですが、その場でビザを発行してもらえるので、時間と手間がかかりません。

ただし、万が一取得に失敗すると入国できません。
また、窓口が閉まっている場合は、開くまで入国審査が受けられません。
たしかに利便性はうれしい限りですが、ビジネスで渡航するなら、事前に準備しておいた方が安心ですね。

インド大使館Webサイトの「ビザ」ページへ
 

SIMは日本で購入しておく

インターネット環境は出張時も必須ですが、インドでは都市部でもFree WiFiを見つけるのに一苦労です。
SIMフリーのスマートフォンを用意して、あらかじめ日本でプリペイドSIMを購入しておくことをお勧めします。

隣国との緊張が続くインドでは、外国人がSIMを購入するのに煩雑な手続きが必要です。
とくに外国人客の対応になれていない街中の店で購入しようとすると、不手際なことも多く、時間がかかります。
さらに、手続きが終わった後も、アクティベート(開通作業)に丸1日かかるとこもあり、なかなか使えるようになりません。

外国人客が多い空港のショップでは、手続き慣れしているためか、比較的スムーズに購入できますが、アクティベートに時間がかかることは変わりありません。
場合によっては、初めての土地で地図アプリも翻訳機能も使えずに右往左往することになるかもしれません。

事前の準備は怠らないようにしておきたいものです。
 

日本ではルピーに両替できない

インドの通貨はルピーです。
ルピーはインドからの持ち出しができないため、日本国内では両替ができません。
ですので、現地で両替しなくてはなりません。
空港や都市部ではもちろん、最近ではよほどの事が無い限り、日本円からルピーへ両替することができます。

注意したいのは、両替してもらった現金をその場で確かめることです。
金額が間違っていないかということだけでなく、紙幣の状態をしっかり確認してください。
インドでは、破れたり落書きがされたりしている紙幣は、お店で受け取ってもらえません。
また、インド政府は、2016年11月に、それまで流通していた500ルピー札と1000ルピー札を無効とし、新500ルピー札と2000ルピー札を発行しました。
万が一、この旧500ルピー札や1000ルピー札を受け取った場合は、その場で交換してもらってください。
2020年1月現在、インドの紙幣にはすべて、マハトマ・ガンディーの肖像画が描かれています。
新500ルピー札と2000ルピー札のガンディーは、向かって右を向いています。
廃止になった旧500ルピーと1000ルピー札のガンディーは、向かって左を向いています。
買い物のおつりとして受け取ることはほとんどない高額紙幣なので、両替時には十分気を付けてください。

どこの国・地域でも、空港の両替所はレートが悪いものです。
ホテルも同様で、街なかの両替所や銀行などのほうがレートは良いところが多いです。
しかし、時間の限られているビジネスでの渡航なので、街なかの両替所を何件も回ったり銀行で長い順番待ちをするよりは、利便性を取った方が良いかもしれません。
オススメは、ホテルまでの移動や食事などの最低限を空港で、残りはホテルのフロントで両替することです。
先ほどお伝えしたように、現金を一枚一枚確かめなくてはならず、後ろで待っている人に急き立てられたりするようなせわしない環境でなく、じっくり確認できる場所を利用した方が良いでしょう。


ムンバイでもUberが便利

インド最大の都市であり、BotBの展示会が多く開かれているムンバイの交通事情にも触れておきます。
最近では、インドでも配車サービスが重宝です。
インドで配車アプリのUberが使えます。

Uberはアメリカ発の配車アプリです。
2020年1月現在、世界70か国・地域の700を超える都市でサービスを提供しています。
他国でUberを使っている場合は、そのままインドでも利用するのが良いでしょう。
Uberにクレジットカードを登録しておけば、現金の心配なく乗車することができます。

ドライバーとの交渉が少々面倒ですが、リクシャーは使いこなせればとても便利です。
オランダで位置情報サービスを手掛けるトムトム社の発表で、2018年の世界一の渋滞都市とランクされたムンバイ。
リクシャーは車体が小さいので路地なども通りやすく、乗用車よりも移動しやすいです。
ただし、乗り心地はお世辞にも良いとは言えません。
乗り物酔いしやすい人は、間違っても乗車中にスマホなどを見ていてはいけません。
荷物もあちこちに動いてしまうので、しっかり押さえておきましょう。



地下鉄や路線バスは運賃は安いですが、混雑の中でのスリ被害なども聞きます。
安全面や領収証などの事務処理を考えると、Uberでの移動がオススメです。
 

ムンバイの展示会場

せっかくなので、ムンバイの展示会場をご紹介しておきます。
ムンバイにはいくつかの展示会施設があります。

代表的なものは、「Bombay Convention & Exhibition Centre (BCEC)」で、BtoBの展示会が多く開催されています。

いっけん、公園のように見えますが、


仮設会場のように見えますが、


建物内部は倉庫のように見えますが、


天井が低く、バトンが無いので吊り物が吊るせないですが、


ここが、Bombay Convention & Exhibition Centreです。

しかし、出展社は軒並みしっかりとブース装飾をしており、造作のクオリティも高いものでした。




もうひとつ、こちらはMMRDA Groundsという会場です。


こちらもファシリティ面は簡素ですが、


各社のブースはしっかり装飾されています。




両展示会場とも、入り口でのセキュリティが厳しく、カバン類はもちろんボディチェックも行われていました。


さて、日本からの距離も遠く、情報もなかなか入ってこないインドですが、これからの成長が大いに期待できる国の1つです。
私たちも、日本企業の皆さんのビジネスの成功を目指して、現地でのサポートに力を入れていきたいと思います。

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