今、バンコクでは「ONE BANGKOK」という新しいプロジェクトが進んでいます。
オトカゲと太極拳で有名なルンピニ公園に隣接し、在タイ日本大使館にも程近いルンピニ地区を再開発するというものなのですが、実に1兆2000億バーツ(40憶米ドル)をかけた巨大プロジェクトで、タイの民間企業が請け負う不動産開発プロジェクトでは過去最大となるそうです。
東南アジアの新たなランドマークになることを目指したこのプロジェクトは、バンコク、タイにとって極めてクリエイティブなものになると思われます。
今回は、見えてきたONE BANGKOKの全貌についてご紹介をします。
ONE BANGKOKとは何か?
“文化都心”をコンセプトとして、オフィス・住宅・商業施設・文化施設・ホテルなど「住む、働く、遊ぶ、憩う、学ぶ、創る」といった多様な機能が複合した街となります。
アートとインテリジェンスが融合したこの街は、「
ONE BANGKOK」と呼ばれ、世界から人が集まり、異文化間の交流の中から、新しい文化や情報が発信される拠点となっていくことを目指そうとしています。
ONE BANGKOKは2020年に第一期分がオープンし、2025年にはすべての部分が完成する予定です。
総床面積は183万平方メートルで、LEEDとWELLの米国の建築評価基準に基づいて設計された5つのオフィスタワー、5つの豪華・ライフスタイルのホテル、3つの超高級住宅タワー、独特のデザインが目を引くショッピングモール、多様な市民区域、および芸術文化施設で構成されるそうです。敷地総面積16万7000平方メートルのうち8万平方メートルはイベントが行えるような緑地や広場となり、新しいインスピレーションを生み出す場所として、全ての人々が利用できる公共スペースとして計画されているそうです。
2023年にはThe Ritz-Carlton Bangkok がオープンとなり、50階建てのタワーの1階から25階となる予定です。
タイらしさも融合したアーバンリゾートをコンセプトとして設計され、4つのレストランとバーが彩を添えます。
さらに、スパでは、6つのトリートメント個室、ウェット・ラウンジ、ジャグジー、サウナ、スチームルームで、最上級のリラクゼーションが体験できるサービスを提供されるそうです。
特筆すべき点は、会議施設、宴会施設が豊富で、タイのラグジュアリークラスのホテルでは最大規模となり、様々な会議、宴会に対応できるようになるようです。
ONE BANGKOKのもたらすもの
ここでは、たくさんの人々が集まり、コミュニケーションを交わします。
新しい美術やクリエイティブな食事から、現代社会の抱える困難な課題まで、ONE BANGKOKで、人は様々な人の、様々な考え方に触れ、様々な体験を楽しみます。
そこに参加することで一人ひとりが考え、変化し、そしてそこから、未来を創っていくようなアイディアが生まれるのです。
またこれまでバンコクに存在しなかったような「クリエイティブ」な集合住宅は、新しいライフスタイルのヒントになるような空間で、バンコクに「クオリティ・オブ・ライフ」の新しい可能性を伝えていくものとなるでしょう。
ONE BANGKOKは、近年の
不動産開発プロジェクトの中で、非常に興味深いものの一つですが、ラーマ4世通り周辺の渋滞、近隣地域の昔ながらのコミュニティなどを考えると、このプロジェクトは簡単な話ではなさそうです。
しかし、多くの観光客、ビジネスマンが利用する非常に重要な地区になることは間違いありません。
ONE BANGKOKは、参加する街として、住む人も、働く人も、集う人も、その全員がONE BANGKOKに参加するのです。
ONE BANGKOKは、タイ、そしてアジア地域をリードし、世界と開かれた対話を起こし、そしてここから未来へのビジョンが生まれる。
そんな街を創っていこうとしています。
そんな思いを込めて「ONE BANGKOK」と言うのかもしれません。
完成が待ち遠しいです。