日本食を世界に広める仕事につきたくてASEANを目指した|TORETA ASIA PTE LTD 小島 英恵 さん | ピリピリ 東南アジア進出をサポート!
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日本食を世界に広める仕事につきたくてASEANを目指した|TORETA ASIA PTE LTD 小島 英恵 さん

2018年に、TORETA ASIA PTE LTD COO(最高執行責任者)に就任した小島 英恵 さん。
2015年に大学を卒業すると、シンガポールにある日系企業を経て、翌年 TORETA ASIA PTE LTD に入社し、飲食店向け予約/顧客台帳サービス「トレタ®」導入店へのオンボーディングから運用サポートまでを担当してきました。日本ではなく、シンガポールでの仕事を選んだ小島さんに、その魅力や可能性について伺いました。
 

ワークライフバランスを優先して海外でのビジネスを学生時代から志向

●シンガポールに移住しようと決めたきっかけや動機は、どのようなものでしたか。

小島さん:
シンガポールに移住しようと決めていたわけではなく、日本以外で働きたいという思いがありました。フランスに留学した経験があったので、当初はフランスで働こうと思っていました。ただ、フランスでの経験を経て、改めて日本食が凄いと感じるようになり、せっかく仕事をするならば、日本食を世界に広める仕事に就きたいと考えるようになりました。そんな想いで就職活動をしているときに、日本の食材メーカーがシンガポールに進出して、レストラン事業を展開している、という情報を得て応募したところ、採用をいただきシンガポールに赴任する機会を得られました。

●学生時代から海外で働くことを志向されていたようですが、日本で働く選択肢はなかったのでしょうか。

小島さん:
ありませんでした。フランスやシンガポールは、都市が狭いので20分もあれば家からオフィスに通えます。日本では、職場にもよるのでしょうが、通勤に1時間以上かかるケースが多いと思います。学生時代から、通学や通勤の時間はもったいないと考えていたので、仕事と生活のバランスを優先すると、日本で働くという考えはなかったです。

●シンガポールの他に移住を検討されたASEANはありましたか。

小島さん:
これも特にありませんでした。そもそも、シンガポールがどこにあるか採用されるまで知りませんでした。(笑)
なので、ASEANのシンガポールに赴任したのはたまたまで、そこでTORETA ASIAのCEO白石と知り合ってTORETA ASIA PTE LTDで働くことになりました。

●シンガポールでスカウトされたわけですが、ASEANに進出しようと考えている日本の経営者やマネージャーは、小島さん:のような有能な人材を登用したいと考えていると思います。どうしたら、そうした人材を現地で見つけられるでしょうか。

小島さん:
今はコロナの影響もあり難しいですが、可能であれば、現地でいろんな人に会って、話を聞くのがいいと思います。SNSやLinked inなどでも情報は集められますが、会ってみないとネットの情報が本当にその人の実力なのか、わからないことも多いです。日本では、学歴や職歴を信頼してしまいがちですが、それだけの情報で海外を任せてしまうと、後から違っていた、という例もあります。そうしたミスマッチを防ぐためにも、実際に会って、また他の人からもその方の話も聞いて、一緒に仕事をするパートナーを選ぶのがいいと思います。


 

経験を重ねた方が自分の将来の伸びしろになる

●飲食からFoodTech企業にスカウトされたわけですが、戸惑いや不安などはなかったでしょうか。

小島さん:

ITに関する基礎は全くありませんでしたが、 TORETA ASIAのお話をいただいたときはまだ社会人2年目で、そもそも全分野において知識も経験もなかったので、別業界への転職に不安などはありませんでした。それよりも、早いうちに転職して経験を重ねた方が、自分の将来の伸びしろになると思い、決断しました。

●FoodTechも含めて、ITに関する知識は転職されてから習得されたのですか。

小島さん:
はい。実際に TORETA ASIAに入社してみると、社内のエンジニアがやり取りするチャットの内容など、まったく理解できませんでした。(笑)
エンジニアと話をする機会も多いので、たくさん本を読んで最低限の知識は学びました。
一方でビジネスに関しても、どんなに頑張っても経験だけは追いつけないので、せめて知識だけでもと思い、本を読んだりセミナーに参加して、経営やマーケティングのことを学びました。

●本やセミナーを通して、学びになった著作や講演者はいましたか。

小島さん:
森岡 毅さんをご存知ですか? 著名なマーケターで、「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」という本が有名です。森岡さんの著書に出会って、マーケティングに関して凄く感動しました。身近な人物では、株式会社トレタの中村仁代表取締役とTORETA ASIA PTE LTDのCEO 白石耕治です。もし、私が日本にいたら会話する機会もなかったでしょうが、当時は中村もほぼ毎月シンガポールに来ていたので、仕事が終わってからご飯を食べに行くなどして経営に関する話を沢山聞き、経営が面白いと感じるようになりました。

旅の楽しみに溢れたASEANを満喫

●コロナ前には、休日はどのように時間を過ごされていましたか。シンガポールやASEANならではの楽しみ方などあれば、教えてください。

小島さん:
以前は、週末にたまにインドネシアの島に行っていました。船が就航しており、シンガポールから1時間半ほどで行けます。
他にも、LCCも多く飛んでおりベトナムへも2時間ほどで行けます。シンガポールはASEANの中でも物価が高いので、船やLCCでマレーシアやインドネシア、ベトナムを訪れて、買い物や食事を楽しんでいました。

●シンガポールの魅力は何でしょうか。

小島さん:
一番は利便性です。ビジネスという面では、競合も多いし、参入も早いので、難しい国ですが、都市が狭くて安全なので暮らしやすいです。物価は高いですが、金融の国なので利回りもよく、配当所得やキャピタルゲインも非課税なので、住むのであればお薦めです。
 

悔しさをバネにシンガポールでの事業で成果を示す

●ASEANでのビジネスを邁進される中で感動したこと、悔しかったこと、嬉しかったことなど、最も感情を動かされた瞬間はどんな時でしたか。

小島さん:
感情がもっとも動いたのは、悔しさです。シンガポールに進出した最初のころは、日本からも社員が頻繁に来て、活気に溢れていました。それが、競合が増えて業績が伸び悩むと、目に見えて会社が縮小していって、それを見るのが悔しかったです。

●厳しい時期もあったと思いますが、その悔しさをバネにして、現在の成功につながっていますが、きっかけは何だったのでしょうか。

小島さん
一時期、私が日本に戻って、日本のトレタが成功している理由をヒアリングしたことでした。日本でも過去に苦労していて、それを克服した何かがあるはずだと思い、日本から学ぶことにしました。

●どのような学びがあったのでしょうか。

小島さん:
日本のレストランの方に話を聞いてみると、トレタの価値は全部の予約を集約できる点にある、という声があり、それは自分の中ではけっこうな驚きでした。そこから、他社と競合するのではなく、他社のサービスも取り入れて、日本と同じように集約できるサービスとしての価値を高めて、現在の普及率に達しています。

●苦労も多かったと思いますが、嬉しかったことはありますか。

小島さん:
嬉しいというよりも、感謝しかないのは台湾のチームです。台湾の立ち上げにも苦労しましたが、3年ほど前から現在のチームになって、台湾でのサービスは現地のスタッフに支えられているのが嬉しいです。コロナがなければ、現地に行って士気を高めたいのですが、それができなくても、現地のスタッフは既存店のメンテナンスや営業活動を継続しているので、そこには感謝しかありません


 

ジャパンクオリティで責任を持ってサービスを継続していく

●目標としている人物やビジネスモデルはありますか。

小島さん:
経営者の方々は、どなたも凄いので、お話を聞くたびに勉強になることが多いです。尊敬する方は、ほぼ全員です。
先ほどお話した森岡さん以外では、「かつや」で有名なアークランドサービスホールディングス株式会社の臼井会長も感銘を受けた方のお一人です。直接お会いしたことはないのですが、以前シンガポールでのFC展開を希望する企業さんのサポートを行う話があり、、海外担当の方とお話をする機会があり、その際に海外担当の方とお話をする機会があったのですが、アークランドの方々の自社商品への情熱やプロ意識の強さに感銘を受けました。サービスを提供する上で、ターゲットを女性客やご年配層に広げず、がっつり食べたいサラリーマンのみに絞った商品開発や物件開発など、非常に勉強になりました。

●今後、ご自身はどのようなキャリアやスキルアップを目指されていますか。

小島さん:
私自身は、もう少しマーケティングの知識と経験を積みたいと考えています。ビジネスをする上で、マーケティングは経営の中心にあるべきだと思います。優秀な営業とか洗練された経営戦略も大事ですが、マーケティングで自分たちのサービスの価値が高いと感じさせられたら、そこが究極の経営力ではないでしょうか。ですので、私自身も含めて、マーケティングの強い会社を目指しています。


海外という言葉や文化の違いのある場所だからこそ、実際に会いお互いに信頼を築いた上で仕事のパートナーとなる。そして築いた信頼関係の中で常に感謝と敬意を忘れない。そうした人間関係の構築がビジネスの成長にもつながるのだと感じた編集部でした。

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