日系企業のタイ進出状況2024 | ピリピリ 東南アジア進出をサポート!
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日系企業のタイ進出状況2024

タイには多くの日系企業が進出しており、製造業を中心に自動車や電気機械産業などで多くの生産拠点が立地しています。1980年代後半から東南アジアへの進出が拡大し、2020年時点で5,800社を超える日系企業がタイに進出しました。この記事では、日系企業のタイ進出について現状や経緯、今後について解説します。

 

日系企業進出の現状

タイには2020年時点で5,856社の日系企業が進出しています。製造業が最も多く4割を占め、卸売業・小売業(25.4%)、サービス業(17.4%)と続きます。近年はサービス業の進出企業数が増加傾向にあるようです。

自動車産業ではトヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車などがタイに進出してきました。電気機械産業ではパナソニック、日立製作所、東芝、シャープなどが、そのほかの産業ではキリンホールディングス、セブン&アイ・ホールディングス、三井住友フィナンシャルグループなどが進出しています。



 

日系企業のタイ進出のこれまで

日系企業のタイ進出が本格化したのは1980年代後半からです。1985年のプラザ合意による円高を受け、日系企業は人件費の高騰を抑えるため、東南アジアで安価かつ質の高い労働力が得られるタイに生産拠点を移転しました。

80年代後半には電気・電子、自動車関連企業から進出が始まります。90年代前半には一度落ち着きを見せたものの、90年代後半の経済自由化で、再び直接投資が増えました。2000年以降は、タイの国内市場を対象としたさまざまな業種で直接投資が増えています。

その後、2011年の大洪水で生産工場が被害を受け、一時的に投資が減速しましたが、全体としては日系企業のタイ進出は継続しています。2020〜2022年における直接投資額の割合は、中国の13.5%を2倍以上引き離し、日本が29.6%でした。



 

タイの最低賃金の変化

タイ政府は2022年10月に約3年ぶりに最低賃金を引き上げました。具体的には、従来の1日あたり313〜336バーツから328〜354バーツへと約5%引き上げたのです。

しかしながら、タイでは最低賃金引き上げの対象とならない自営業者や無給家族従業者の就業者が多数を占め、一方、最低賃金の対象となる民間部門の被雇用者の割合は4割ほどに留まっています。

また、被雇用者の割合が高い産業の多くは「資本集約型産業(生産設備を中心とするビジネス)」であり、人件費上昇の影響は限られています。さらに、バーツ安の進行や競合国での最低賃金引き上げもあり、賃金面の国際競争力に大きな変化はありません。

 

タイ進出に有効な情報収集メディア・プラットフォーム

①バンコク日本人商工会議所 (https://www.jcc.or.th/
商工会議所の会員になると、業種別の部会に所属でき、同業種の企業とのネットワークを構築できます。「会員企業検索」でパートナー企業を見つけることも可能です。

②タイ国政府商務省国際貿易振興局 (DITP) (https://www.ditp.go.th/ja/home
タイ政府の商務省が運営する貿易投資促進ポータルです。製品や部品の調達先を見つけられます。

③Bangkok Post (https://www.bangkokpost.com/)
 タイを代表する英字新聞です。経済・ビジネスニュースを閲覧でき、広告出稿でタイの経済人やビジネスパーソンへPRできます。

④Positioning Magazine(https://positioningmag.com/
タイの広告・マーケティング分野のWebメディアで、マーケティング戦略の参考になります。

 

タイにおける日系製造業等の動向と今後の予測

タイの製造業は、自動車や電子機器の輸出を中心に活動しており、GDPの約3割を占めています。コロナ禍を経て、2023年には輸出や生産に回復の兆しが見られるものの、主要な輸出先である中国経済の減速などの影響を受けており、先行きは不透明な状況が続いています。

一方で、タイ政府は2036年までのGDP増加計画「タイランド4.0」を推進しており、日系製造業にも高付加価値化や先端技術への対応が求められています。自動車や電子機器のIoT・AI活用など、新たな成長分野への進出が必要となるかもしれません。

また、タイでは日本と同じく、急速な高齢化が進んでおり、労働力不足が深刻化しています。「豊かになる前に老いる」とも言われ、労働力確保は必須となるでしょう。



 

まとめ

タイに進出する日系企業は主力の製造業において、中国経済の減速などの影響で先行きが不透明な状況です。高付加価値化や先端技術対応が求められる一方、高齢化に伴う労働力不足も深刻な課題となっています。日系企業にとって、現地の経済動向と人口構造の変化への対処が必要となるでしょう。

参考情報:
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/04/20d5c3d9315e11b9.html
https://www.ide.go.jp/library/Japanese/Publish/Reports/Kidou/pdf/2023_asean_05.pdf
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/researchfocus/pdf/13757.pdf
https://www.hokukei.or.jp/contents/pdf_exl/thai-economy202402.pdf
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/08/1f460933664730c6.html
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/05/827394e774a3d65f.html
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2022/d349f4f75a1aeafc.html
https://www.digima-japan.com/knowhow/thailand/13324.php

 

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