ベトナムの検索エンジン人気ランキング！ベトナムならではSEO対策のポイント・注意点も

ベトナムでデジタルマーケティングを手掛ける際に知っておきたいのがベトナム人の検索エンジンの利用動向です。ベトナム特有のビジネス・言語事情が検索エンジンの人気ランキングにも影響を与えています。現地でSEO対策をする場合、日本と同じやり方では通用しない可能性があるでしょう。そこで、この記事では、ベトナムでの検索エンジンの人気ランキング、現地SEO対策のポイント・注意点について解説します。

ベトナムでの検索エンジンの人気ランキング

2024年4月時点での検索エンジンの人気ランキングは次の通りです。

【ベトナム国内での利用シェア】
1.   Google：97.18%
2.   CocCoc：2.22%
3.   Bing：0.31%
4.   Yahoo!：0.24%
5.   DuckDuckGO：0.02%

出典：Statcounter Global Stats「ベトナムの検索エンジン市場シェア-2024年4月」

競合に大差をつけてトップに輝いたのはGoogleで、15年前から1位に君臨し続けています。ベトナムではGmailがビジネスツールとして欠かせない存在になっていることに加え、セキュリティや利便性を重視し、企業や店舗の公式メールアドレスとしてGmailを採用していることが多いためです。

また、東南アジアの生産拠点として外資企業が進出しているベトナムは、外国人とコミュニケーションを取る機会も多く、公用語のベトナム語が通じない場合にGoogle翻訳を利用することがあります。こうした背景から、Googleアカウントの保有者が増え、検索エンジンの利用者も多くなっています。

第2位のCocCoc（コック・コック）は2013年にベトナムで生まれた検索エンジンです。2014年4月時点ではランキング外でしたが、10年間でBingやYahoo!を追い抜いています。

CocCocが人気な理由は、ベトナム語の特性に合わせた機能にあります。ベトナム語には発音記号がいくつもあり、入力ミスが意味の違いを生むことがあります。そこで、「予測変換機能」を採用し、ベトナム人に適した入力を実現しました。

また、ベトナムのインターネット回線は不安定な面もあり、動画や音楽のダウンロードに苦労するユーザーが多いのですが、CocCocはファイルを分割してダウンロードできる機能があるため、読み込み速度が他のブラウザと比べて8倍高速とされており、快適に使えます。

第3位はMicrosoftのBingです。日本ほど知名度は高くありませんが、BingのAIチャットであるCopilot（コパイロット）を利用でき、テキスト・画像の生成やMicrosoft 365との連携も可能です。こうした利便性から将来的にはCocCocと肩を並べる存在になるかもしれません。

ベトナムにおけるSEO対策のポイント・注意点

Webサイトの評価手法は日本のSEOと基本的に同じです。しかしながら、ベトナム語の特徴を理解してSEO対策を行うことが重要です。

ベトナムの公用語は、総人口の9割近くを占めるキン族の母語です。英語のアルファベットで記述しますが、アクセントの有無でまったく違う意味になることがあり、クローラーは別の単語として認識します。そのため、アクセントの有無に対応できるキーワードを設定することが重要です。

また、北部と南部で同じ単語でも読み方や意味が異なることがあるので、対象地域に合わせてキーワードを設定し、地域別の最適化を行う必要があります。

一方、ビジネスでは英語も使われており、BtoBマーケティングでは英語キーワードの対策も必要かもしれません。BtoCの場合は基本的にベトナム語のみの対策で十分でしょう。このように、ベトナム語特有のアクセントや地域差を理解し、それらに基づいたキーワード選定とコンテンツ対策が欠かせません。