インドネシアの輸出動向とは?主な輸出品と相手国の特徴まとめ | ピリピリ 東南アジア進出をサポート!
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インドネシアの輸出動向とは?主な輸出品と相手国の特徴まとめ

世界第4位の人口を誇るインドネシアは、ASEAN最大の経済大国として注目を集めています。同国の輸出動向は、パーム油や石炭などの天然資源から製造業まで多岐にわたり、世界経済に大きな影響を与えています。2023年の輸出額は2,588億ドルと前年比で減少したものの、経済多様化政策により電子機器や機械類などの高付加価値製品の輸出が拡大傾向にあります。本記事では、インドネシア貿易統計を基に、主要輸出品目の構成や輸出相手国ランキング、さらに2025年以降の輸出台数予測まで詳しく解説します。

インドネシア輸出の全体動向

インドネシアの輸出動向は、グローバル経済の影響を受けながらも安定した成長を示しています。2023年のデータを見ると、複雑な国際情勢の中でも堅実な輸出実績を維持していることが分かります。

2023年の輸出実績と貿易収支

2023年のインドネシア全体の輸出額は2,588億ドルとなり、前年比で11.3%の減少となりました。一方、輸入額は2,218億ドル(前年比6.6%減)となり、約370億ドルの貿易黒字を維持しました。

このときの貿易黒字は前年比32.2%減となったものの、2025年3月時点においても59カ月連続で黒字を継続しており、インドネシア経済の安定性が示されています。輸出減少の主な要因は、世界的な商品価格の下落や需要の変化にあります。

輸出構造の特徴

インドネシアの輸出構造は、非石油・ガス製品が全体の9割超を占める構造となっています。これは政府の経済多様化政策の成果でもあり、天然資源依存からの脱却を図る重要な指標となっています。

特に注目すべきは、製造業分野での成長です。電子機器の海外需要拡大傾向により、製造品や電子製品の輸出は2025年に20%増加する見込みとの予測も出ています。

主要輸出品目の詳細

インドネシアの主要輸出品目構成は、天然資源から工業製品まで幅広い分野にわたっています。ここでは、各品目の動向を踏まえ、経済構造がどのように変化しているのかを見ていきます。

動植物性油脂の輸出動向

動植物性油脂輸出は、インドネシアの主力輸出品目の一つです。その内訳の大半を占めるのがパーム油であり、同国は世界最大の生産国として、国際市場で圧倒的な存在感を示しています。2025年3月の実績では、動植物性油脂の輸出が前年同月比48.3%増と大幅な伸長を記録しました。

この成長の背景には、世界的な植物油需要の増加とともに、インドネシア政府による品質向上への取り組みがあります。サステナビリティ重視の国際的な流れを受けて、環境配慮型生産への転換も進んでいます。

鉱物性燃料と石炭輸出台数の輸出動向

鉱物性燃料、特に石炭は従来インドネシアの主力輸出品目でした。しかし、2023年は前年比16.2%減となり、石炭輸出台数も減少傾向にあります。これは世界的な脱炭素の流れや再生可能エネルギーへの転換が影響しています。

また、政府は鉱石輸出禁止政策を推進しており、2020年にニッケル、2023年にはボーキサイトの輸出を禁止し、国内加工・精錬を義務化しています。この政策により、下流産業育成と付加価値向上が図られています。

鉄鋼と機械類の輸出動向

鉄鋼分野では2023年に前年比11.8%増と好調な成長を示しました。これは国内の製鉄産業の発展と品質向上の成果です。機械類の輸出比率も着実に拡大しており、製造業の高度化が進んでいることを示しています。

特に日本向け輸出品目構成では、機械及び輸送用機器が48.1%を占めるなど、高付加価値製品の輸出が増加しています。原材料別製品の貿易額推移も安定的な成長を続けており、産業構造の転換が着実に進行中です。


主要輸出相手国の特徴と関係性

インドネシアの輸出相手国ランキングを見ると、アジア太平洋地域を中心とした多様な貿易関係が構築されています。各国との関係性を理解することで、同国の貿易戦略の全体像が見えてきます。

中国との貿易関係

中国はインドネシアの最大の貿易パートナーです。鉱物資源、パーム油、水産物など多岐にわたる商品を輸出しており、貿易額は年々拡大しています。中国インドネシア貿易関係性分析では、インフラ投資と貿易の相乗効果が顕著に現れています。

特に「一帯一路」構想の下で、中国からの投資と技術移転が活発化しており、製造業分野での協力関係が深まっています。ただし、貿易不均衡の是正も重要な課題となっています。

日本との貿易関係

日本はインドネシアにとって重要な貿易パートナーの一つです。2023年の日本向け輸出額は前年比14.7%減の244億ドルとなりましたが、減少要因は主に鉱物性燃料、銅鉱、貴金属、木材等の価格下落によるものです。

一方で、日本からインドネシアへの投資は前年比30.2%増の46.4億ドルと大幅に増加しており、特に自動車産業での協力関係が深化しています。化学工業品の輸出先としても日本は重要な位置を占めています。

米国とASEAN諸国との貿易関係

米国向けの輸出では、繊維製品、ゴム関連製品、自動車部材などが主力となっています。近年は電子機器分野での輸出も増加傾向にあり、多様化が進んでいます。

ASEAN諸国との貿易関係強化策では、RCEP(地域包括的経済連携)の活用が重要な役割を果たしています。域内貿易の自由化により、サプライチェーンの最適化が進んでいます。

経済多様化政策と今後の展望

インドネシア政府は、経済多様化政策を積極的に推進しており、従来の資源依存型経済からの脱却を図っています。この政策は輸出構造にも大きな変化をもたらしています。

製造業への転換と電子機器産業の成長

製造業分野では、政府の産業育成政策により着実な成長を続けています。特に、電子機器産業では、スマートフォンやコンピューター部品の生産能力が向上し、輸出競争力が高まっています。

国内需要と輸出台数のいずれも好調であり、内需拡大と輸出促進の好循環が形成されつつあります。これにより、持続可能な成長基盤が着実に構築されています。

政府の産業政策により、今後は電子機器分野をはじめとする高付加価値製品の輸出比率がさらに高まる見通しです。加えて、環境配慮型製品の需要拡大を受けて、グリーン産業の育成と輸出促進も重要な課題となっています。再生可能エネルギー関連製品や電気自動車部品といった分野で、新たな輸出機会の創出が期待されています。

サービス輸出台頭分野の拡大

サービス輸出台頭分野では、IT関連サービス、観光、金融サービスなどが急速に成長しています。デジタル経済の発展により、これらの分野は今後さらなる拡大が期待されています。

政府は「デジタル・インドネシア2045」構想を掲げ、デジタル技術を活用した経済発展を目指しています。この政策により、サービス業の輸出競争力向上が期待されています。

まとめ

インドネシアの輸出動向は、天然資源依存から製造業への転換期にあり、経済多様化政策の成果が着実に現れています。貿易黒字の継続と新興産業の成長により、同国の輸出競争力は今後さらに向上すると予想されます。

  • パーム油や鉱物資源などの伝統的輸出品目が引き続き重要な地位を占める
  • 電子機器や機械類などの製造業分野の輸出が急速に拡大している
  • 中国、日本、米国との多様な貿易関係が経済安定性を支えている
  • 経済多様化政策により高付加価値製品の輸出比率が向上中
  • 2025年以降はサービス輸出とグリーン産業の成長が期待される

今後のインドネシア市場への参入や貿易関係の構築を検討する際は、これらの動向を踏まえた戦略的なアプローチが重要です。特に製造業や環境配慮型製品の分野では、大きなビジネス機会が期待できるでしょう。

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