ベトナム進出をサポートする東京SMEが語る!「METALEX Vietnam」の出展メリットとは? | ピリピリ 東南アジア進出をサポート!
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ベトナム進出をサポートする東京SMEが語る!「METALEX Vietnam」の出展メリットとは?

大手企業がこぞって生産拠点を移し、堅調なGDP成長を維持するなど、ASEANで注目を集めるのがベトナム。しかし海外進出を検討していても、右も左も分からない中小企業がほとんどです。公益財団法人 東京都中小企業新興公社(以下、東京SME)では、都内中小企業の海外進出支援を行っており、その一環として、「METALEX Vietnam(メタレックス ベトナム)」の出展も実施。その様子について東京SME 事業戦略部 販路・海外展開支援課の今井 貴将さん、玉井 俊一さんに話を聞きました。

 

都内中小企業のASEAN進出をプラン作りから販路開拓までサポート

― まず貴社の事業概要についてお聞かせください。

玉井さん:
当社の中でも、販路・海外展開支援課では海外進出を検討している東京都内の中小企業を支援しています。具体的には3つのフェーズに分けて支援しています。

フェーズ1では現地情報を共有しながら「何を、どこに、どうやって」という事業計画を策定します。次のフェーズ2では、専任ナビゲーターとともにマッチング先企業を探していきます。展示会への出展などを通じた販路開拓がメインとなりますが、他にも生産委託先や越境EC出品、テストマーケティング、拠点設置といった支援をすることも可能です。フェーズ3では実際に進出した企業向けに、ベトナムやインドネシアなどにいる現地カウンターパートナーから情報提供もしています。

今井さん:
私たちの目的は、自立化、自走化して海外展開できる企業を増やすことです。最終的には、自社だけで海外展開していただけるよう継続的に支援しています。



東京SME ASEANにおける支援を紹介しているページ:
https://www.tokyo-kosha.or.jp/TTC/asean_support/supportdesk_top.html



― これまで、どのくらいの企業を支援してきたのでしょうか。

玉井さん:
2010年から現在までに延べ960社を支援してきました。2023年11月時点では、85社を支援中です。支援対象は、都内に本店または支店がある中小企業です。

 

製造業が集う「METALEX Vietnam」で広がるベトナム展開のチャンス

― ベトナム市場の魅力をどのように感じられていますか。

玉井さん:
もともとベトナム市場は、日系・韓国系大手企業の現地生産工場がありました。ただ、昨今では国際情勢の変化からベトナムに工場を移転する企業が増えてきています。サプライチェーンが構築・強化される中で、ベトナムは魅力的な市場と言えるでしょう。

また、ベトナムは新興国ゆえに法規制が追いついておらず、いわゆるブルーオーシャンな市場が多いです。例えば、日本には環境に対する規制が多くありますが、ベトナムにはこうした規制が現時点では多くはありません。今のうちに環境に配慮した製品を展開しておけば、いざ規制が来たときにマーケットシェアを取りやすい環境があります。

―「METALEX Vietnam*1」へ出展する企業の目的や、期待できる効果をお聞かせください。

玉井さん:
METALEX Vietnamには2017年から6年間出展しています。10月上旬に開催された2023年の本展示会では東京SMEが現在支援している85社のうち、審査に通過した6社が出展しました。参加企業の主な目的は、販路開拓や新規生産委託先とのマッチングです。
*1:2007年からベトナム・ホーチミン市で開催されるベトナム最大級の国際工作機械・金属加工関連展示会

出展の効果としては、第一に、現地で販売してくれる代理店候補や見込み客が見つかったことです。当日、ブースに訪問した企業のうち1〜2割が該当しました。また、出展した企業同士がナビゲーターを通じて情報交換する機会もありました。



今井さん:
出展時にその場で成約が決まるわけではありませんが、出展後にやりとりを続けることで毎年140件ほどの成約につながっています。

玉井さん:
2023年の肌感覚としては、工場の備品関連に引き合いが多かったです。ベトナムでは工場が増えているので、それに伴う工場の建材や機械の成約が多くありました。また、工場のサプライヤーとしてもベトナムは参入しやすいです。タイではサプライチェーンが組み上がりつつありますが、ベトナムにはまだ入り込む余地があります。

― 当日のブースはどのような様子でしたか?

今井さん:
2023年の入場者は約1万5,000人とコロナ明けの2022年と比較し37%増となり、2019年と同じ水準まで回復したおかげもあり、公社ブースにおいても多くの方が来場され賑わいを見せていました。ブース自体は公社と各企業のエリアに分けて設置しました。各ブースに製品紹介のパネルの設置や通訳を配置し、チラシも配布するなどして認知度向上を図りました。(通訳費やチラシ代は公社負担)。

国際的な認知度があるためか、“Tokyo”という地名に惹かれてブースに訪問した方もいたようです。公社ブースに来られた方は出展企業6社に各社に案内していますが、その中でカバーできないご相談もあれば出展していない支援企業もご案内しています。こうして日本側との橋渡しもしています。



 

海外展示会への出展が成功する企業の共通点は「自助努力」

― 展示会への出展支援は何度でもできるのでしょうか。

玉井さん:
複数回の出展を希望する企業も中にはいます。1度だけで成果につながるケースもありますが、なかなか認知度が広がらないケースもあるので、2度目の出展についてご相談いただくことがあります。

今井さん:
東京SMEと他の支援団体との違いは、中長期で支援をしているかどうかです。支援期間は、基本は2年間ですが、最大4年間へ延長することも可能です。1度目の出展を振り返り、より自分たちのターゲットとなるお客様に近づけるよう試行錯誤しながら2度目の出展をするケースもあります。

とはいえ、出展にも審査があるので「前回の反省をどう活かすか」「どういった企業とマッチングする予定なのか」を見た上で判断しています。

― 出展して、成果が上がる企業の共通点は何でしょうか。

今井さん:
積極的に自助努力をできる企業は伸びています。そのような企業は、あらかじめ現地企業にメールしてアポを取って当日ブースに訪問してもらえるように自ら行動していますね。

玉井さん:
展示会でのつながりを成約につなげられる企業は、自社内での体制作りもしっかりされています。具体的な価格交渉や物流などまでフォローできる企業が成果を出されていますね。

― 東京SME様が計画している今後の展望をお聞かせください。

今井さん:
今後は、他の地域への進出もサポートしていきます。2008年の事業スタート時、日本から近く市場拡大も見込めたのでASEANに注目しましたが、当社としては支援対象の地域を限定するつもりはありません。

もちろん、ASEAN各国に成長性があるので、海外展開の第1ステップとしてASEANを提案していますが、昨今では、ASEANで市場を確保できた企業も増えてきたので、第2ステップとして、例えば欧米にも目を向けた支援に力を入れていきたいと考えています。

公社海外展開支援事業詳細について詳細はこちら:
https://www.tokyo-kosha.or.jp/TTC/
 

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