「タイ化粧品市場進出検討セミナー」開催レポート



2019年8月30日より、タイ・バンコクで3日間にわたり開催される「バンコク日本博2019」。
同イベント内において、バンコク日本博実行委員会と株式会社ビッグビートが共同で「ビューティーゾーン」を設置にすることになりました。それに伴い、タイをはじめとするASEAN地域への進出を検討している化粧品メーカーを対象に「タイ化粧品市場進出検討セミナー」を開催しました。

はじめに、株式会社ビッグビート取締役でありBigbeat Bangkok代表の金子が参加者の皆様にご挨拶。あわせてBigbeat Bangkokが日本総代理店を務めたタイ最大の国際美容展示産業展「ASEAN beauty 2019」の様子についても事例を交えてご紹介しました。
そのなかで、注目すべきデータとして独自に行った来場者アンケートの結果を挙げています。

ASEAN beauty 2019来場者の40%近くがディストリビューターまたはバイヤーでした。彼らが美容関係の情報をどこから収集しているかという質問に対し「テレビで情報収集している人が65%ぐらい。一方、展示会で情報収集しているという人が51%」という結果だったとのこと。インターネットで情報収集する人が多い日本に比べ、主な情報収集源はテレビと展示会という意外なアンケート結果に参加者も興味深く聞き入っている様子でした。

開会挨拶が終わり、いよいよ講師4名によるセッションのスタートです。




タイ市場参入における障壁と脅威、その解決法
Session 1. ~タイ化粧品市場への展開~
クリップティップ株式会社 代表取締役 冨永知之さん




タイへの事業進出コンサルティングに長年携わる冨永さん。今や6,000億近い規模となったタイの化粧品市場の現状と背景、参入に際しての障壁や重要なポイントについてご紹介いただきました。

まずはタイの化粧品市場について。市場のおよそ半分を占めるスキンケア商品。そのなかでも、どのようなタイプの商品がタイの人々に好まれ需要が高いのかを、データを示しながら説明されました。美白などの効能を謳う医薬部外品も、ビジネスチャンス拡大の可能性が高いと冨永さんは言います。

また、タイでは日本や韓国製品の人気が高く、特に富裕層の購入動機としてMade in Japanが挙げられることが多いそうです。このように日本製品が受け入れられやすい背景を知ると市場参入がしやすいのでは……と思いがちですが、タイ進出の成功と失敗を分ける大きな壁がいくつかあるので、解決のヒントとともに覚えておきましょう。

●    脅威
①    競合が多い……………ある程度の資本投資が必要
②    リピート率が低い……ブランディングと新規獲得施策が必要
③    GMP基準………………今後厳しくなる。タイ独自のGMP基準を理解する
 
●    障壁
①    ディストリビューター……どこと組むかが重要。信頼のおけるパートナーを見つける
②    FDA申請……………………タイ独自のルールあり。申請に必要なポイントをおさえる
③    販路開拓……………………段階的に進める。価格帯・ターゲットなどにより販路を変える

注意すべき点がいくつかありますが、重要ポイントはディストリビューター(販売代理店)です。実は企業がタイ進出からドロップアウトしてしまう理由のほとんどが、ディストリビューター関連の問題だそうです。またFDAの承認取得に彼らのノウハウが影響することも少なくありません。信頼できるディストリビューターと良好な協力体制を構築し、役割を理解して付き合うことが成功の必須条件と言えるでしょう。 




「日本の体験」が盛り上がりをみせるタイ
Session 2. ~バンコク日本博2019のご紹介~
バンコク日本博2019実行委員会 代表 長谷川卓生さん




長谷川さんはタイ在住22年。タイ人向けの日本留学エージェントと日本語学校を経営しながら、数万人規模の留学&就職フェアなどのイベントを多数主催。日本に少しでも関心を持ってくれる人を増やしたいとの想いで、日本とタイを舞台に精力的に活動していらっしゃいます。


タイのエキスパートともいえる長谷川さんは、タイ市場の特長、タイから日本への観光客数の推移、カルチャーなどを、自らの経験も交えてご説明されました。
長年にわたりタイを見てきた長谷川さんは、近年とくに、日本への旅行や日本食といった、いわゆる「日本の体験」への盛り上がりを感じていると言います。なかでも日本の概念を感じる体験が注目されているようで、例えばOMAKASE(おまかせ)、IKIGAI(いきがい)といった概念を表す言葉が、翻訳されずにそのまま使われているとのこと。



そのようなタイの「いま」や、国・市場の動向を紹介したうえで、主催者として今回のバンコク日本博2019への想いと期待を熱く語り、長谷川さんのセッションが終了しました。
 





ビジネスとしての成果を出す展示会に
Session 3. ~バンコク日本博 ビューティーゾーン企画~
Bigbeat Bangkok Co., Ltd. 
CEO, Managing Director 金子秀明




続いてBigbeat Bangkok代表の金子より、バンコク日本博2019会場内にバンコク日本博実行委員会と共同で設置するビューティーゾーン「JAPAN RECOMMEND」の企画、趣旨を説明しました。
今回のビューティーゾーンのコンセプトは「Be a TOKYO working woman(東京のワーキングウーマンになる)」。※Be a…の大文字小文字など正しい表記要確認多忙ながらもキラキラと輝く日本のワーキングウーマンをイメージしています。
そのコンセプトのもと、出展商品をどのように来場者にアピールするかというプロモーションプランを発表しました。

集客の目玉は、ASEAN beauty 2019でも登場したタイのビューティーブロガーであるMeow(ミャオ/タイ版「Scawaii!」元・編集長)さん※写真右下のトークショーです。彼女たちが、ステージで出展メーカーにインタビューしながら、各社の商品を紹介していきます。※イベントコンテンツは変更する可能性があります。


キラリスタさん(左)とミャオさん(右)

実は、タイはFacebook大国で、都市別のFacebook利用者数はバンコクが世界一です。ASEAN beauty 2019で弊社が行った来場者アンケートで「ビジネスで活用しているSNSは何ですか?」と尋ねたところ、Facebookが82.5%、次いでLINEが50%という結果でした。タイにおけるセールスプロモーションではFacebookなどのSNSをどう使うかも非常に大きなポイントであることを強く訴えました。




世界に進出し、日本の未来牽引企業に
Session4. ~海外展開を支援する補助金(出展費用や渡航費等)について~
プロジェクトデザイナー 葉坂廣次さん




10年間で総額10億円以上、100件以上のビジネスプロジェクトを起ち上げた実績をもつ、新規事業開発支援の専門家である葉坂さん。補助金・助成金のスペシャリストでもあります。補助金についてのお話のほか、参加者に決断・行動・戦略の重要性について熱く語りました。
葉坂さんは「皆さんにはぜひ未来牽引企業になってもらいたい」「ビジネスで世の中を良くしよう」と呼びかけ、最後に「皆で手をとりあって経済と世界を良くしていきましょう!」という言葉でセミナーを締め括りました。
 



それぞれの立場と視点でタイの化粧品市場について解説した今回のセミナー。
終了後の個別相談会では、セッティングを待ちきれず立ったまま講師に相談をもちかける参加者もいらっしゃいました。

無数にある海外進出の成功条件のなかで、最も重要な条件ともいえるのがパートナーです。信頼できるエキスパートとの強力なパートナーシップを構築することは戦略の土台となり、事業の成功率を高めます。また1つの問題が致命傷になることも多い海外事業において、現地の情報や業界に通じたパートナーとの提携は、リスクヘッジにもなるでしょう。


 

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