マレーシアの複雑な祝祭日 | ピリピリ 東南アジア進出をサポート!
Malasya マレーシア

マレーシアの複雑な祝祭日

【2019年11月22日】公開

2018年の統計によると、マレーシアの人口は3239万人(マレーシア統計局)。
域内人口6億5000万人というASEAN10ヵ国には、2億6000万人のインドネシアを筆頭に、1億人超のフィリピンや1億人弱のベトナムなどがあり、マレーシアは6番目に位置します。
これらの人口大国に比べると、マレーシアは小国ではありますが、その実はとても多様性に富んだ国なのです。


目次
多民族、多宗教、多文化が共存しているマレーシア
マレーシアの複雑なカレンダー
ムスリムの祝祭日
中国系マレーシア人の祝祭日
インド系マレーシア人の祝祭日
州ごとの祝日
イベントによる祝日



多民族、多宗教、多文化が共存しているマレーシア

マレーシアの民族構成は、マレー系(約69%)、中国系(約23%)、インド系(約7%)で構成され、それぞれマレー語、中国語、タミール語が使われています。
そのため、公用語はマレー語ですが、歴史的な背景もあり、英語が共通語として話されています。
また、イスラム教が連邦宗教として定められており、人口の61.3%がイスラム教徒です。
しかし、仏教徒が19.8%、キリスト教徒が9.2%、ヒンドゥー教徒が6.3%と、信仰面でも多様性があるのです。
また、大きくマレー半島の南部とボルネオ島の北部に国土が分かれていることもあり、中には独立性が強い州も存在します。


マレーシアの複雑なカレンダー

こうした背景から、マレーシアには多様な祭典があります。
そしてその日付は、ムスリムはヒジュラ暦(イスラム暦)、中国系は中国暦(いわゆる旧暦)、インド系はヒンドゥー暦を用いて決めています。
それをグレゴリオ暦に当てはめているので差異が生じ、毎年変わってしまうのです。
そのため、マレーシアのカレンダーは祝祭日が複雑になっています。
以下に、主な祝祭日をあげます。


ムスリムの祝祭日

・断食明け大祭(Hari Raya Puasa:ハリ・ラヤ・プアサ)
イスラム暦9月(Ramadhan:ラマダン)の1ヵ月間の断食が終了したことを祝う祭。
一般的にマレー人の最大の行事です。

・聖地巡礼祭(Hari Raya Haji:ハリ・ラヤ・ハジ)
イスラム暦12月の巡礼月に、五行(ムスリム課せられた五つの義務行為)の1つ、聖地メッカへの巡礼を祝う祭。

・イスラム暦新年(Awal Muharram:アワル・ムハラム/Maal Hijrah:マアル・ヒジュラ)

・ムハンマド生誕祭(Maulud Nabi:マウルド・ナビ)
預言者ムハンマドの誕生日。


中国系マレーシア人の祝祭日

・春節(Chinese New Year:チャイニーズ・ニュー・イヤー)
中国系住民の最大の行事。
2日間、国の祝日として定められていますが、ビジネス上は7~10日間程度休業することがあります。

・ウェサックデー(Wesak Day)
仏陀(お釈迦様)の誕生日。


インド系マレーシア人の祝祭日

・光の祭(Deepavali:ディーパバリ)
ヒンドゥー暦カールティカ月(グレゴリオ暦の10~11月)の新月の日におこなわれる、美と豊穣を司る女神ラクシュミーを祝う祭。
家中を灯りで飾ることから、この名前がつきました。

・タイプーサム(Thaipusam)
ヒンドゥー暦10月の満月の日におこなわれる苦行の祭り。
信者は身体に鉤を刺したり、舌に鉄棒を通したりするなどして、神輿を担ぎバトゥ洞窟の272段の石段を登り、スブラマニアム神詣りをする。
100万人もの人が集まると言われています。


州ごとの祝日

・連邦区記念日など各州ごとに記念日があり、日付はまちまちです。
・州ごとのスルタンや州知事の誕生日。
・ジョーホール州など州によっては、金曜日が休日で、日曜日が稼働日です。


イベントによる祝日

このほか、イベント性の祝日もあります。
たとえば、2018年5月の総選挙で政権交代があり、選挙公約で宣言した通り、5月11日と12日が休日になりました。
また、スポーツ選手が国際試合で活躍したときにお祝いで休みにしたり、州対抗サッカーで優勝した州では休みになったりなど、突然に休日が発生することもあります。

このような突発性の祝日は、他の日に振り替えても良いのですが、企業では従業員との合意が必要です。



日本では何月何日は何の日、もしくは何月の第何曜日は何の日と、ほとんどの祝日は決まっています。
変動するのは春分の日と秋分の日くらいです。
ですので、日本人の感覚では少々戸惑ってしまうかもしれません。

マレーシア政府観光局のホームページでは、国だけではなく、州の祝祭日も案内してくれていますので、参考にしてみてください。

ただし、ここにも「祝日は変更の可能性があります」という表記があります。
なかなか侮れませんね……

 

関連記事