Vietnam ベトナム

ベトナム進出で知っておきたい、コロナ禍におけるベトナムの注力産業とは?
【2020年ー2021年版】

世界経済に打撃を与えた新型コロナウイルスの感染拡大。
ベトナムがコロナ禍で受けた経済への打撃と、今後の見通しについてご紹介します。

 

ベトナム経済における新型コロナの影響


ベトナムは、マクロ経済は安定していましたが、多くの困難に直面し、失業率と不完全就業率が高くなりました。ベトナムの国内総生産(GDP)は、新型コロナの影響を受け第2四半期に最も低い成長率である0.39%を経験しました。しかし、その後成長率は回復をはじめ、2020年の全体的なGDP成長率は2.91%とプラス成長を遂げています。これは世界的にも高く、「ベトナムは新型コロナによる経済への影響を抑えるのに成功した」と言えます。

石油生産の12.6%減少と天然ガスの11.5%の減少により、鉱業は5.62%減少しました。また、観光旅行と旅行サービスは、17兆9000億ベトナムドルで、前年比59.5%減少を記録しており影響が大きいと言えます。宿泊設備と仕出しも、前年比13%減少しました。更に、外国投資については、前年比25%の減少を記録しています。

反面、産業と建設は前年比3.36%の増加、商品の小売売上高は、996兆9000億ベトナムドルに及び、6.8%もの成長を記録しています。2020年のサービス業は、新型コロナの影響を受けたものの、2.34%の増加。商品の総輸出入取引高は5439億米ドルで、前年比5.1%増しており、2020年の商品の貿易収支は、191億米ドル貿易黒字です。

新型コロナの経済・家庭への影響は顕著だったものの一時的でした。
それは、政府の財政面への支援とウイルスへの迅速な対応によるものです。

参考:TTP BENGOSHI LAW.CO.LTD「20210203_TTP_VIETNAM ECONOMIC REPORT 2020」

 

ベトナム経済の今後の方向性



ベトナム国会は2020年の11月27日に、「2021年社会・経済発展計画」を公表しました。
これによると、GDP成長率の目標値は約6%で1人当たりのGDPは約3,700ドル、消費者物価指数(CPI)上昇率の目標値は約4%に設定されています。一部の国会議員からは、「新型コロナウイルス感染を抑え込みながら6%の成長は難しい」との指摘がありました。しかし、2020年のGDP推計や国際機関の予測等も踏まえて目標を設定、感染収束後の経済回復に向け政府の決意を示すものとしています。

掲げられた12項目は以下の通りです。

2021年の主要な社会・経済発展目標12項目

1.    GDP成長率は約6%
2.    1人当たりGDPは約3,700ドル
3.    CPI上昇率(年平均)は約4%
4.    経済成長対する全要素生産性(TFP)の寄与率は約45~47%
5.    労働生産性の上昇率は約4.8%
6.    訓練を受けた労働者の割合は約66%。そのうち、訓練を受けた資格・修了証を有する労働者は約25.5%
7.    医療保険の加入率は約91%
8.    貧困率(多次元貧困の基準に基づく)は1.0~1.5ポイント減
9.    集中型給水システムを通じて清潔な水にアクセスできる都市住民の割合は90%以上
10.    都市部の日常生活における固形廃棄物の収集・処理の割合は87%以上
11.    環境標準を満たす集中型排水処理システムが整備された工業団地・輸出加工区の割合は約91%
12.    森林被覆率は約42%

参考:JRTRO「2021年のGDP成長率目標は約6%に、国会が計画公表(ベトナム)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/12/fbb6ca02cbafa9f6.html

 

ベトナム現地で見えてきている産業の現状/実態


ベトナムの製造業は外資企業がけん引しており、特に2009年に進出したサムソングループが高いプレゼンスを有しています。日系企業では、印刷機器関連や二輪車は関連企業の進出が多く見られます。
成長を続けている一方で、近隣の中国やタイなどから安価な部材を調達することができてしまうため、裾野産業の育成が課題のひとつです。対策として、欧州メーカーであるボッシュやシーメンスなどが協力をしており、今後の育成が期待されています。

建設業は、GDPの拡大に伴い堅調な成長を遂げています。ODAを中心とした高速道路や地下鉄などのインフラ投資が約4割を占めています。ハノイやホーチミン近郊でマンション建設が盛況で、都市部の不動産価格は高騰。そのため、不動産市場の過熱を警戒する方もいらっしゃいます。

小売業では、いまだにトラディショナルトレード(TT)が9割以上を占めていますが、徐々にモダントレード(MT)が発達してきています。2009年からは、法律上では外資100%でのベトナム進出が可能になりましたが、一部外資規制が残っているのが現状です。中所得者の増大に伴って高成長を記録しており、外資企業や百貨店やショッピングモール、コンビニだけではなくECなどの業態で積極的に参入しています。

参考:みずほ銀行「ベトナム投資環境2020年1月」
https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/world/info/investment_environment/pdf/vietnam.pdf

 

注力産業について

ベトナムで特に成長が見込まれる注力産業を3つご紹介します。

▼ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)
情報通信技術(ICT)の中でも、特に成長が見込まれるのがBPOです。過去10年間で毎年20%~35%もの成長を遂げており、年間GDPをはるかに上回るペースです。従来BPOの主軸とされてきたインドとフィリピンに代わるBPOとして注目されており、2016年には中国を抜いて日本で2番目に大きなソフトウエアアウトソーシングパートナーになっています。

▼医療観光
観光業界はベトナムのGDP成長に貢献している産業のひとつです。2016年にはベトナムの観光収入は93億米ドルにも達しています。2019年の最初の9カ月で、ハノイには2,150万人が訪れましたが、そのうち500万人が外国人でした。
特に注目したいのが「医療観光」です。
2017年には、約80,000人外国人観光客が健康診断のために旅行を兼ねてベトナムを訪れ、20億米ドルもの収益がありました。政情が安定しており、値段が手ごろで質の高い治療を受けることが出来るので、医療観光産業は毎年18~20%もの成長をすると予測されています。

▼建設
ベトナム建設産業は過去10年で毎年平均8.5%もの成長を遂げています。
2017年の530億米ドルから2018年のUSD575億米ドルまで増加しており、成長を続けている産業のひとつです。

参考:TTP BENGOSHI LAW.CO.LTD「20210125_Potential investment areas in VN」
 

総括

ベトナムでは2020年もGDP成長率2.91%増加を記録し、世界的に見ても新型コロナの経済への影響を抑え込むことに成功しています。BPOや医療観光など、今後も成長が見込める産業が多く、投資先として申し分ない環境が整っています。
アジアの中でもインドに次ぐ高い成長率と長期的な成長が見込まれており、消費の拡大も引き続き期待されている注目の国です。
 

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