Enlit Asia 2023とは?インドネシアのエネルギー市況も交えてご紹介 | ピリピリ 東南アジア進出をサポート!
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Enlit Asia 2023とは?インドネシアのエネルギー市況も交えてご紹介

2023年11月14日から16日にかけて、東南アジア最大級のエネルギー業界向け展示会「Enlit Asia 2023」がインドネシア ジャカルタにて開催されます。本記事では、Enlit Asia 2023の概要、そして今回開催されるインドネシアのエネルギー市況等の情報を、Enlit Asia 2023主催社から日本市場に向けたビデオメッセージの内容を基に紹介いたします。

 

東南アジア最大規模のエネルギー業界向け展示会

エネルギー系としては、東南アジアでも最大級の展示会「Enlit Asia 2023」。2023年11月14日から11月16日にかけて、インドネシアのジャカルタで開催されます。
「Enlit Asiaシリーズ」の特徴として、1年ごとに場所を変える点が挙げられます。東南アジア各地を巡る形で開催され、昨年はタイでの開催されました。そのため、開催地のみならず、東南アジアで最も注目を集めるエネルギー系の展示会となっています。

前回の「Enlit Asia 2022」では、カーボンフリー発電 / 次世代電力網 / 再生可能エネルギーをテーマに様々な企業が出展。日系企業も東芝三菱電機産業システム株式会社、三菱パワー株式会社、三菱化工機株式会社、経済産業省、株式会社IHI、川崎重工業株式会社が出展するなど、賑わいを見せました。前回の展示会の現地の様子をレポートした記事はこちらからご覧いただけます。

展示会名:Enlit Asia 2023

開催日時:2023年11月14日〜11月16日

会場:Indonesia Convention Exhibition (ICE) BSD City
出展製品:低炭素型従来型エネルギー源、再生可能エネルギー、グリッドインフラ、デジタル技術など

主催:Clarion Events Pte Ltd 


また、2019年もPOWERGENという展示会の名称でインドネシアにて開催しており、当時の様子を主催企業が開催レポート動画をアップしています。現場の雰囲気を知る参考資料として、ぜひご覧ください。
 
 

なぜインドネシア ジャカルタ開催?

毎年、場所を変えて開催される「Enlit Asia 2023」ですが、今年はなぜインドネシア ジャカルタで開催を予定しているのでしょうか。

今回、本メディアに向けて、Enlit Asia 2023を主催するClarion Events Pte Ltd  イベント電力部門ポートフォリオディレクター兼Enlit Asiaブランド全体責任者  サイモン・ホーア さんから、日本市場に向けたビデオメッセージをいただきました。こちらのビデオメッセージの内容を基に、インドネシアの市況等を紹介します。

(*本ビデオメッセージは、ウェビナーにて紹介した内容になります。ウェビナー の詳細はこちら



まずは、インドネシアの基本情報ですが、世界第4位の人口2億7,000万人を有し、ASEAN地域で最大の経済規模を有しています。その巨大な経済規模に比例して、ASEAN地域のエネルギー消費量の​約40%をインドネシアが占めています。加えて、 インドネシアは、その広大な国土から豊富な天然資源(天然ガス、石炭など)があり、インドネシアにはエネルギーの生産拠点としての期待が高まっています。

つまり、エネルギーの消費と生産、どちらの観点から見ても、ASEAN地域でも最大規模の国になります。これだけの大きな市場のため、インドネシアの電力セクターは堅調な成長を続けており、2021年には年率5.5%の成長。電力需要はこの10年間、年率4.9%の成長(*1)が見込まれています。 

Official Website of the International Trade Administration
https://www.trade.gov/country-commercial-guides/indonesia-energy 


次にインドネシアのエネルギー市場のトレンドです。インドネシア政府は、2024年までの国家中期開発計画の重点事項に「環境」を挙げ、太陽光発電や地熱発電を活用した低炭素化に積極的に取り組んでいます。また、2060年までにインドネシア内の全電力の供給を再生可能エネルギーで賄うことを目指す法案が可決され、今後も低炭素化社会の実現に向けて加速することが予測されます。

具体的な活動としては、2025年までに自動車販売台数の20%を電気自動車とし、2050年には電気自動車のみを販売すること目指し、​インドネシアのエネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合を、現在の12%から23%にする目標を掲げるなど、2060年の目標達成に向けて動きを加速させています。​

インドネシア総合研究所 【ミニレポート】再生可能エネルギーとしての油ヤシ:バイオマス燃料
https://www.indonesiasoken.com/news/news-saiseikanouenergy-aburayashi/​

REUTERS インドネシア、2050年以降はEV・電動二輪車のみ販売へ​
https://jp.reuters.com/article/indonesia-electric-idJPKCN2DQ0SU

 

インドネシア市場における日本企業のビジネスチャンス  

こうした脱炭素への取り組みは、インドネシア国内の企業だけで実現を目指しているわけではありません。日本企業をはじめとした、多くのインドネシア国外企業と協業を始めています。ここでは具体的な協業の活動例を紹介します。
 
表1:脱炭素化に向けた地場・海外企業の連携事例
企業名 パートナー 連携内容
プルサハアン・リストリック・ネガラ(PT Perusahaan Listrik Negara(PLN)) IHI PLN子会社の発電会社プンバンキタン・ジャワ・バリ(PJB)との間で、火力発電所でのアンモニアやバイオマスの混焼や将来的な専焼に向けた技術検証を実施するための基本合意書を締結。PJB所有の グレシック(Gresik)火力発電所などの既設ボイラを対象として、各種技術検討などを実施予定。その際には、アンモニアなどのカーボンニュートラル燃料の混焼、将来的な専焼の実施を想定する。
日本貿易保険(NEXI) インドネシアの電力分野脱炭素化に向け、取り組みに関する協力覚書を締結。インドネシアにで現実的にエネルギー・トランジションを実現させる上で、関連する PLN 向けファイナンス支援などを実施予定。
フランス開発庁 ジャワ・バリ両島では初の風力発電所(容量 200 MW)を建設する計画を公表。
プルタミナ(PT Pertamina) 日揮ホールディングス、大阪ガス、INPEX パームオイルの搾油工程で生じる廃液由来のバイオメタン活用に向けた共同調査に関して、契約を締結。スマトラ島とカリマンタン島で製造したバイオメタンをジャワ島などのインドネシア国内需要家に供給することを想定し、実現可能性を調査予定。
兼松 プルタミナの運送トラックの燃費改善による脱炭素化と物流効率改善への支援実証を実施。
三菱商事 グリーン水素およびグリーンアンモニアのバリューチェーン構築や、二酸化炭素回収利用貯留(CCUS)技術で協力する旨公表。
三井物産 CCUSの事業化を目指した共同調査を開始。
丸紅 パルプ製造事業で発生するバイオマス由来排出ガスからのCO2回収・貯蔵事業や、排出権の創出、バイオマス燃料の製造事業など、幅広い脱炭素事業の共同開発を実施。
SKE&S(韓国) CCS技術に関する協力。
インディカ・エナジー(PT Indika Energy) 台湾鴻海精密工業、ゴゴロ(台湾) インドネシア・バッテリー・コーポレーション(IBC)などと、EV関連産業のエコシステム構築に向けて覚書を締結。

引用:企業がカーボンニュートラルに向けて動き出す(インドネシア) https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2022/10c858161a5ccefb.html


このように、火力発電所でのアンモニア混焼、水素燃料、二酸化炭素回収貯留(CCS)、EVなど、先端的な技術をめぐり、インドネシア国内企業は日系企業との取り組み強化を目指しています。​インドネシアの脱炭素の流れは、日系企業などインドネシア国外企業にとって、ビジネスチャンスが数多く存在する市況と言えるでしょう。

 

”Enlit Asia 2023” の詳細はこちら

日系企業にとっても大きなビジネスチャンスがあるインドネシアのエネルギー市場ですが、市場へアプローチする機会は限られているのが現状です。特にエネルギー系の展示会は、インドネシア内でも開催される数は決して多くありません。そのため、Enlit Asia 2023は市場へのアプローチをする場としては貴重な機会と言えます。

特に、Enlit Asia 2023ではブースの展示だけでなく、主催社によるビジネスマッチングの支援や会場内での講演など、商談に繋がる仕組みも用意されています。ぜひ、Enlit Asia 2023への出展を通して、インドネシアのエネルギー市場への進出の足掛かりや、販路の拡大のきっかけとして活用ください。

展示会についての詳細や、出展に関するご相談は日本市場におけるEnlit Asia 2023の専属販売代理店である株式会社ビッグビートにお問い合わせください。

【お問い合わせ先】
株式会社ビッグビート
担当部課 : マーケティング
担当者 : 多田 開史
Tel : +81-3-3222-8877
E-mail : marketing@bigbeat.co.jp
問い合わせフォーム : https://www.bigbeat.co.jp/contact/

また、株式会社ビッグビートでは、海外展示会への出展サポートをしております。  弊社が展示会成功に向けて、出展企画から展示ブースの造作、コンパニオンなど運営スタッフの手配や管理など、ワンストップのサービスをご提供いたします。 

  

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