ー Metalex Vietnamの開催がCovid-19の影響で1年延期になりました。この間にベトナムの製造業に変化はありましたか。
2021年は、特に第2四半期、第3四半期に多くの事業で大幅な減速が見られました。特に製造業は原材料の不足や価格上昇、輸送の制限、記録的な燃料価格、工業団地での一時的な労働力不足など、パンデミックにより数多くの困難に直面しました。
ただ、2022年初頭には消費者心理は徐々に回復し、企業の活動も積極的になってきました。ベトナムの製造業も企業活動の再開と市場や経済の動向に合わせた投資を実施しており、特にデジタル化、自動化などの変化を加速させています。こうした投資を基に、ベトナムの製造業はグローバルなサプライチェーンに深く入り込めないか模索しています。
ー 今回、オフラインにてMETALEX Vietnam 2022の開催を決断した理由をお聞かせください
2020年から2021年にかけては、パンデミックの世界的な被害だけでなく、新しいテクノロジーへの大きな適応もあり、現代史の中で最も困難な2年間として記憶されることでしょう。 そして、本当に残念に感じるのはプライベートでも、仕事上でも、お互いに直接会う機会が減少したことです。特に展示会は、すべてのビジネスにとって最も重要なダイレクトマーケティングチャネルの一つであり、そのROI(投資利益率)は実証済みです。そのため、経済が徐々に正常化しつつある今、ベトナムのビジネスマンは展示会が戻ってくることを心待ちにしていると思います。
METALEX Vietnam 2022 が開催される Saigon Exhibition and Convention Center(SECC)
新しいソリューションやサプライヤーを調達し、ビジネスを生み出すことで、新しい見込み客とつながり、新しいことを学ぶ。これらを達成するために、ベトナムのビジネスマンが直接会うことを最も重要視していることに変わりはないと思います。一方で、これらの目的を達成するために、デジタルツールを駆使することも多くなっていることは注目すべき点かと思います。
ー 展示会での感染リスクはないのでしょうか?METALEX Vietnam 2022で行う予定の対策も教えてください。
ベトナム政府のヴー・ドゥック・ダム副首相は3月15日から海外渡航者の検疫を終了すると発表し、これは国際交流・貿易活動の再開というベトナム政府の主要政策の一環であることを強調しました。感染拡大の時期を乗り越え、ベトナム政府は現在、「safe adaptation, flexibility, effective disease control」の方針で感染対策を実行しています。
保健省は入院率や死亡率は低く、状況は「コントロール下にある」と発表しています。当局は理由として、成人の90%以上がワクチン接種を完了しており、2022年4月12日からは5~12歳の子供への集団接種プログラムを展開している点を挙げています。こうした背景もあり、ベトナム政府は2022年3月15日をもって海外渡航者の検疫を終了すると発表しました。
・ベトナム入国の新ガイドライン ー RT-PCR検査+ビザ+海外旅行保険で入国可能に
・ベトナムへのビザに日本を含む13カ国が免除
RX Tradex Vietnamでは、お客様、パートナー、従業員の安全を常に最優先に考えています。安全にMETALEX Vietnam 2022に出展いただくために、現地当局が定める安全衛生規制を厳守し、企画段階から現地運営に至るまで、世界最高水準の基準を満たしています。具体的には、以下のような対策を実施しています。
・PC Covidアプリによる非接触登録や入館時における検査
・展示会場内の混雑を最小限に抑えるためのフロアプランと動線の設計
・ソーシャルディスタンス、感染対策についての注意喚起の実施
・接触頻度の高い箇所の清掃体制を強化
・敷地内の医療施設の設置や医療サービスの提供
ー 日本以外の国や現地企業の展示会への出展動向はいかがでしょうか。
世界中の出展者の多くは展示会が戻ってくることを期待し、出展に向けて積極的なプランニングを行っていると思います。もちろん国によって出展への積極性の度合いが違いますが、今も展示会の出展に積極的なのは日本、韓国、ヨーロッパ、アメリカ、シンガポール、台湾です。
例えば、2021年9月のロックダウンの状況下でも、日本貿易振興機構(JETRO)は、Vietnam Manufacturing Expoに日本・ベトナム55社の出展によるベトナム日本支援産業展を設置しました。一方で、中国はトップ市場の一つですが、国内の規制があり、海外渡航をまだ躊躇している企業もいます。 その他にも、オーストラリアでの展示会は規制の解除後に活気が戻って来ていますし、タイの出展者も国内外の展示会に積極的に参加しています。
ー 2年ぶりのオフラインでの展示会開催に向けて、変えたことや、今まで以上に力を入れていることはありますか?
パンデミックのこの2年間、私たちはお客様との関係性を絶やさず、お客様が何に課題を感じているのか、ニーズの把握に努めてきました。その上で、ビジネスマッチングや製品や企業の認知度向上は、2年間開催できなかったため、これまで以上にお客様にとって重要な点だと感じています。来場者、出展者、スポンサーは最先端技術に触れられ、ネットワークを広げ、ブランド認知度を高め、顧客との信用を築き、顧客基盤を拡大できる、そんな展示会を熱望していると思います。
2019年のMETALEX Vietnamの様子
弊社では、過去2年間で全社的にデジタル技術の導入が爆発的に進みました。そして、オフラインイベントが復活した今、オフライン展示会に参加できない人たちのために、様々な点を変え、弊社の展示会にアクセスできるように努力しました。
具体的な変化の一例として、以下の点があります。
・ペーパーレスの登録システムの導入
・出展者プレミアムリストにより、会期前から多くの来場者へ露出をすることができます。
・ベトナムの金属加工業界のコミュニティイベントの年間を通じた開催。これにより出展者や来場者に新しい出会いやネットワークを構築する機会を提供します。
・出展者の皆様のご要望にお応えするため、マッチングプログラムを充実させました。
・直接会場に足を運ぶことができない出展者の方々のために、ブースの設営、ブースでのゲストアシスタントやエンジニアの派遣、高速回線の構築、オフィスや工場にいる出展者とのビデオチャットなどを行うリモートパッケージを用意しました。
ー 出展を検討している日本企業へのメッセージをお願いします。
ベトナムは、戦略的立地、競争力のある人件費、外資規制の少ない比較的オープンな環境など、海外から参入する企業にとって有利な条件を備えています。2年間の開催中止を経て、現地のビジネスマンは新しい技術に飢えています。その点では、2022年は展示会への出展に最適な時期だと思います。ベトナムは非常に安定した政治体制と、ビジネス活動を促進する法律の施行によって、経済を回復させるための環境を整えました。今後10年間でトップクラスの成長が見込まれるこの国で、製造業向けの展示会であるVietnam Manufacturing、NEPCON Vietnam、METALEX Vietnamは、製造現場で使用される機械や技術を紹介する絶好の機会です。
ベトナムでは経済活動が正常に戻り、日本人は15日以内の滞在であれば短期ビザが免除されるようになりました。日本の技術はベトナムのバイヤーに高く評価され、好まれています。だからこそ、Metalex Vietnam 2022を通じて、お客様のビジネス目標を達成していただければ幸いです。