【2019年12月19日】公開
2019年11月27日(水)~29日(金)に、タイの首都バンコク郊外にあるIMPACT Exhibition Centerで、「
CEBIT ASEAN Thailand 」が開催されました。
2019年で2回目になるイベントの様子を、現地からレポートします。
目次
・CEBIT ASEAN Thailand とは
・CEBIT開催の背景
・CEBIT ASEAN Thailand 2019の概要
・DXを体現するレジストレーション
・日本からの出展企業
・出展企業に感想を聞くと・・・
・CEBIT ASEAN Thailand 2020
「CEBIT ASEAN Thailand」は、2018年にタイで初開催された、ITとデジタルビジネスのB2B展示会です。
「CEBIT」は、1947年からドイツで開催されている世界最大の国際産業技術見本市「HANNOVER MESSE(ハノーファーメッセ)」から、1986年に情報通信技術分野だけを分離・独立させた展示会です。
その後、1990年代~2000年代に順調に規模を拡大し、世界最大のIT・デジタル分野の展示会となりました。
しかし、主催者のドイツメッセは、2019年からCEBITを再びHANNOVER MESSEと統合すると発表。
ドイツ本国では33回目となる2018年を最後に幕を閉じました。
現在、ドイツメッセは、CEBITを新興IT市場向けの展示会ブランドと位置づけ、世界3ヶ所での開催を支援しています。
中国の広東省で開催されている「Internet + powered by CEBIT」と、オーストラリアのシドニーで開催されている「CEBIT AUSTRALIA」、そして「CEBIT ASEAN Thailand」です。
タイ政府は、2015年に「タイランド4.0」の長期ビジョンを発表しました。
これを推進するカギとなるのが、経済・社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)です。
しかし、タイにはこれまで、ITの専門展示会がありませんでした。
メーカーと流通企業とユーザー企業が一堂に会し、商品の実物を前にして情報交換をし、企業同士をマッチングする展示会は、その産業を成長させるためには欠かせない交流の場です。
そこで誕生したのが「CEBIT ASEAN Thailand」です。
この展示会は、タイのデジタル経済社会省(Ministry of Digital Economy & Society)と高等教育・科学・研究・イノベーション省(Ministry of Higher Education Science Research and Innovation)が展示会の主催者として名を連ねるなど、タイ政府の肝いりで始まったお墨付きイベントといえます。
DX推進によるタイランド4.0の実現を目指すタイ政府と、展示会による新興IT市場の伸展を掲げるドイツメッセとのお互いのビジョンが一致して、東南アジアでの初開催に至りました。
2回目となる2019年の開催概要は以下の通りでした。
開催期間:2019年11月27日(水)~29日(金)
会場:IMPACT Exhibition Center
出展企業数:207社(14国・地域)
講演:86セッション
来場者数:8,000名 ※開催前の主催者想定(2019年12月19日現在、来場実数は未発表)
日本からの出展:17社
展示セグメント:「Data and Cloud」「Business solutions」「Smart Solutions and IoT」「Cyber Security」
「CEBIT ASEAN Thailand」は、「ASEAN’s innovation and digitization business platform for IT professionals and decision-makers, from startups to SMEs」をキーメッセージに、中小企業のDX推進に主眼を置いています。
タイには300万社の中小企業があり、雇用の78%、GDPの42%を占めていますが、主催者であるタイ政府は、これら中小企業のDX推進こそ、タイランド4.0の実現に欠かせないと考えているようです。
そのため、世界の最新ITソリューションを地元のタイ企業に紹介しようと、積極的に海外からの出展を誘致、出展企業の海外比率は60%を超えていました。
DX推進を標榜するに相応しく、来場登録もすべてデジタル化されていました。
展示会への入場料は無料ですが、参加するには登録をして入場バッジを発行してもらわなくてはなりません。
Webサイトでの事前登録は日本でもおなじみですが、当日の会場での申し込みもデジタルのみとなっていました。
受付カウンターにはパソコンが設置されていて、来場者自身で入力するように促されます。
登録が済むと、その場で名前入りの入場バッジが発行されます。
写真は出展企業用のバッジですが、出展企業の関係者も同様に登録しなくてはなりません。
会場の入り口で、係員がバッジにあるQRコードを読み取り、入場を記録します。
読み取り用のスキャナーは、スマートフォンでした。
事前にWeb登録を済ませておけば、QRコード付きの登録証がメールで送られてきます。
Web登録済みの場合は、専用カウンターのキオスク端末に向かいます。
QRコードを、スマホの画面に表示するかプリントアウトするかして、キオスク端末のカメラに読み取らせると、キオスク端末でバッジを発行することができます。
中には、受付前の登録サイト案内を見て、自分のスマホで登録している人も見受けられました。
国・地域別の出展企業数は、地元タイを筆頭に以下の通り。
・タイ:80
・中国:24
・香港:21
・日本:17
・インド:16
・韓国:15
・ポーランド:10
・バングラディシュ:8
・シンガポール:6
・台湾:5
・アラブ首長国連邦:2
・ドイツ:1
・ハンガリー:1
・マレーシア:1
日本企業は次の17社でした。
・株式会社ABEJA
・株式会社エイビス
・株式会社網屋
・株式会社コンシェルジュ
・サイボウズ株式会社
・グローバルセキュリティエキスパート株式会社
・株式会社日立システムズ
・株式会社 セゾン情報システムズ
・NPO日本ネットワークセキュリティ協会
・エムオーテックス株式会社
・ソラミツ株式会社
・株式会社Spectee
・株式会社スタディスト
・株式会社ビズジーン
・ウイングアーク1st株式会社
・株式会社テンクー
・株式会社ジークス
また、このほかにも、タイやシンガポールの日系現地法人が出展しているケースもありました。
・A2NETWORK (THAILAND) CO., LTD.
・CLOUD ACE CO., LTD.
・EMORI (THAILAND) CO., LTD.
・FUJI XEROX (THAILAND) LTD.
・HITACHI ASIA LTD.
・RISO (THAILAND) LTD.
など。
こうしてみると、出展企業の1割を日系企業が占めており、日本からも注目されているイベントであるといえます。
概要でもお伝えしましたが、展示会の来場者数は、開催前の主催者想定で8,000名です(2019年12月19日時点で主催者による実数レポートは発表されていません)。
数万人という来場者が訪れる日本のIT展示会と比べると、さみしく感じるかもしれません。
しかし、2018年の主催者レポートを見ると、来場者の半数以上が上級役員や部課長クラスの役職者という結果が出ています。
実際に出展企業にお聞きすると、決裁権を持っている方々が多く、商談に進む割合が高かったという話が聞かれました。
その影響か、決定までのリードタイムも総じて短いといいます。
日本では、セールスリードを集めるというマーケティングファネルの入り口の機能として、展示会の役割設定をすることが多いと思います。
来場者側も、情報収集レベルという方が多く、お互い最初の出会いの場、情報交換の場という意識が強いのではないでしょうか。
こと「CEBIT ASEAN Thailand」に関して言えば、まさにトレードショーと呼ぶにふさわしいイベントのようです。
さて、タイのみならず、東南アジア全域を見渡しても貴重な交流の場といえるIT専門展示会「CEBIT ASEAN Thailand」は、次回の開催も決定しています。
3回目となる2020年は、11月25日(水)〜27日(金)、会場は同じくIMPACT Exhibition Centerで開催されます。
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